認知症の親名義のマンションを売る方法|後見人・手続き・注意点を専門家が解説
2025.12.17
親が認知症と診断され、「名義が親のままのマンションは売却できるのか」と悩む方は少なくありません。成年後見制度や家庭裁判所の許可が必要となるケースも多く、自己判断で進めるとリスクを伴います。
この記事では、認知症の親のマンション売却について、正しい進め方と注意点を丁寧に解説します。
✅ 「何から始めればいいかわからない…」という方は、まずは「新宿不動産売却サポート」にご相談を!
✅ 新宿区の不動産・マンション売却に強い専門家が最適なプランをご提案
✅ エリアトップクラスの売却実績を基に納得の高値売却を実現します
認知症の親名義マンションは売却できる?
認知症の親名義であってもマンションの売却そのものが不可能になるわけではありません。ただし、親の判断能力によって必要な手続きや進め方は大きく異なります。
ここでは、親の判断能力の状態によって売却方法がどのように変わるのか、また成年後見制度が必要となるケースと不要なケースの違いを分かりやすく解説します。
判断能力の有無で変わる売却方法
マンションの売却で最も重要なのは、売主本人に「意思能力(判断能力)」があるかどうかです。
意思能力とは、「売却の意味や結果を理解し、自分の意思で判断できる状態」を指します。
- 意思能力がある場合 → 原則として、本人が売主として売却可能
- 意思能力がない、または著しく低下している場合 → そのままでは売却できない
そのため、たとえ親族であっても、本人に代わって代理で勝手に売却することはできません。
成年後見制度が必要となるケース
以下のような場合は、成年後見制度の利用が必要になる可能性が高いです。
- 医師から認知症と診断されている
- 売却内容を説明しても理解が難しい
- 契約書の内容を自分で判断できない
この場合、家庭裁判所で後見人を選任し、後見人が本人に代わって売却手続きを行う形になります。
後見制度を使わずに契約すると、後から「無効」と判断されるリスクがあるため注意が必要です。
後見制度を使わずに売却できる可能性がある例
一方で、認知症と診断されていても、必ず後見制度が必要とは限りません。
次のようなケースでは、後見制度を使わずに売却できる可能性があります。
- 軽度の認知症で、日常会話や意思表示ができる
- 売却の理由・金額を理解し、自分の言葉で説明できる
- 医師の診断書で「意思能力あり」と判断されている
成年後見制度を利用したマンション売却の仕組みと手続き
親に十分な判断能力がない場合、マンションの売却は原則、成年後見制度を通じて行います。
この制度は、認知症などにより意思判断が難しくなった本人の財産や権利を守るために、家庭裁判所が後見人を選任する仕組みです。
ここでは、成年後見制度を利用したマンション売却の流れと必要な手続きを分かりやすく解説します。
法定後見(後見・保佐・補助)の違い
成年後見制度には、本人の判断能力の程度に応じて、以下の3種類があります。
- 後見:判断能力がほとんどない状態 → 不動産の売却には家庭裁判所の許可が必須
- 保佐:判断能力が著しく不十分な状態 → 重要な財産処分(マンションの売却)には同意・許可が必要
- 補助:判断能力が一部不十分な状態 → 対象行為を限定して同意・代理が可能
認知症の親のマンションの売却では「後見」または「保佐」になるケースが大半です。
どの類型になるかは、医師の診断書や本人の状況をもとに家庭裁判所が判断します。
後見人選任までの手続き
成年後見制度を利用する場合、まず家庭裁判所へ申立てを行います。
申立てができるのは、本人・配偶者・四親等内の親族などです。
主な流れは以下のとおりです。
- 家庭裁判所へ成年後見開始の申立て
- 医師による診断書の提出
- 裁判所による審理・本人面談
- 後見人の選任
売却には家庭裁判所の許可申立てが必須
後見人が選任された後も、マンションを売却するには別途、家庭裁判所の許可申立てが必要です。
後見人であっても、自由に売却できるわけではありません。
許可申立て時には、以下の資料を求められることが一般的です。
- 売却理由を説明する書面
- 不動産の査定書
- 売却代金の使用用途計画
許可が下りやすいケースと注意点
許可が下りやすいのは、次のようなケースです。
- 介護費用や施設入居費の確保が目的
- 空き家となり維持管理が困難
- 固定資産税などの負担が重い
一方で、相場より著しく安い価格での売却や、自身の都合を優先した売却は、許可が下りにくくなります。
売却理由と価格の合理性を、第三者に説明できる状態にしておくことが重要です。
認知症の親名義マンションを売却する手順
ここでは、認知症の親名義マンションを売却する際の一般的な手順を、順番にわかりやすく解説します。
STEP1:親の判断能力の確認
最初に行うべきことは、親に売却の意思判断能力があるかの確認です。
この確認を曖昧にしたまま売却を進めると、後から契約の無効を主張されるリスクがあります。
確認のポイントは次のとおりです。
- 売却の理由や目的を理解できているか
- 金額や売却後の生活について説明できるか
- 契約内容を自分の言葉で説明できるか
STEP2:後見制度の利用を検討し、申立てを行う
判断能力が不十分と考えられる場合は、成年後見制度の利用を検討します。その際は、売却を進める前に必要な準備や手続きを整理しておくことが重要です。
主な対応内容は以下のとおりです。
- 家庭裁判所への申立書類の準備
- 医師の診断書の取得
- 親族間での事前協議
申立てから後見人の選任までは、家庭裁判所の審理状況にもよりますが、通常1〜2か月程度かかることが多く、売却を急ぐ場合ほど早めの行動が必要です。
STEP3:家庭裁判所の許可後に売却活動を進める
家庭裁判所の許可が下りてから、後見人が売主となり、不動産会社と媒介契約を結んで買主探しを進めます。
販売価格は、査定や相場をもとに、無理のない水準で設定します。
内覧対応や条件調整も、後見人が本人の利益を最優先に行います。
新宿区でのマンションの売却の流れについて詳しく知りたい方はこちらをご覧ください→新宿区でマンションを売却する流れを徹底解説|査定・契約・引渡しまでの全手順
STEP4:売買契約から決済・名義変更までの手続き
売買契約に進んだ後は、決済と名義変更まで一連の手続きを進めます。
主な流れは以下のとおりです。
- 後見人が売主として売買契約を締結
- 決済日に売却代金を受け取る
- 所有権移転登記を行う
- 売却代金を本人名義の口座で管理する
認知症の親のマンション売却で起こりやすいトラブルと回避策
認知症の親名義のマンションを売却する際は、家族の意見の食い違いや契約の進め方をめぐって、トラブルが起こりやすくなります。
ここでは、実際によく起こるトラブル事例と、その具体的な回避策を専門家の視点でわかりやすく解説します。
家族間で意見がまとまらないケース
最も多いのが、家族間で意見が分かれてしまうケースです。
売却に賛成する人と反対する人が出たり、価格や売却のタイミングに不満が出ることがあります。
このような状態のまま進めると、後見人の選任や家庭裁判所の審理で不利になることがあります。
【回避策】
- 売却目的(介護費用、管理の負担軽減など)を明確に共有する
- 数字(維持費・税金・修繕費)を可視化する
- 第三者(不動産会社・弁護士)を交えて話し合う
後見人の権限を超えた行為による契約無効のリスク
後見人であっても、すべての行為が自由にできるわけではありません。
家庭裁判所の許可が必要な行為を無断で行うと、契約自体が無効になる可能性があります。
よくある例は以下のとおりです。
- 許可前に売買契約を締結する
- 相場より著しく安い価格で売却する
- 自身の利益を優先する目的で売却する
【回避策】
- 売却前に必ず家庭裁判所の許可を得る
- 査定書などで価格の妥当性を説明できる状態にする
- 後見人単独で判断せず、専門家に確認する
相場より安く売却してしまうリスク
「早く現金化したい」「手続きが面倒」といった理由で、相場より安く売却してしまうケースも少なくありません。
しかし、相場とかけ離れた価格は、
- 家庭裁判所の許可が下りない
- 後から不当な売却と指摘される
- 親族間トラブルの原因になる
といった問題につながります。
【回避策】
- 周辺の成約事例をもとに価格設定する
- 複数社に査定を依頼する
売却以外の選択肢|賃貸・活用・リースバックなど比較
認知症の親名義のマンションは、「売却」だけが唯一の解決策ではありません。
判断能力や家族の意向、介護費用の見通しによっては、売らずに資金を確保する方法が適しているケースもあります。
ここでは、賃貸・活用・リースバックそれぞれの特徴を比較し、わかりやすく整理します。
売らずに資金化する方法
すぐにマンションを手放さず、資金を確保する方法として次のような選択肢があります。
- 賃貸に出す:家賃収入を生活費や将来の資金の確保に充てることができる
- リースバック:売却後も賃貸として住み続けられる仕組み
- 不動産担保ローン:マンションを担保に資金を借り入れる方法
ただし、これらも意思能力が不十分な場合は、成年後見制度や家庭裁判所の許可が必要になる点には注意が必要です。
売却と比較したメリット・デメリット
売却と他の選択肢を比較すると、次のような違いがあります。
| 方法 | メリット | デメリット |
| 売却 | 一括でまとまった資金を確保できる。管理や維持の負担がなくなる | 将来住むという選択肢がなくなる。成年後見制度を利用する場合、手続きや許可に時間がかかる |
| 賃貸活用 | 家賃収入を継続的に得られる。資産を手元に残せる | 管理の手間がかかる。空室や家賃下落のリスクがある |
| リースバック | 売却後も住み続けられる | 売却価格が相場より低くなりやすい。家賃の支払いが発生する |
どの方法が適しているかは、親の生活状況・介護計画・家族の意向によって変わります。
短期的な資金確保をしたいのか、それとも将来の生活を見据えた設計を重視するのか、目的をはっきりさせたうえで判断することが大切です。
認知症の親名義マンションに関するよくある質問
ここでは、認知症の親名義マンションの売却についての相談でよくある質問を取り上げ、専門家の視点でわかりやすく解説します。
後見制度の申立ては家族の誰でもできる?
成年後見制度の申立ては、本人・配偶者・四親等内の親族であれば行うことができます。
具体的には、子ども・兄弟姉妹・甥姪などが該当します。
ただし、複数の親族がいる場合、意見の対立があると手続きが長期化することがあります。
申立て前に、家族間で売却方針をある程度共有しておくことが望ましいです。
売却代金を家族が使うことはできる?
原則として、売却代金は親本人の財産であり、家族や後見人が自由に使うことはできません。
売却代金を使用できる主な内容は次のとおりです。
- 介護施設の入居費用・月額費用
- 医療費や生活費
- 住環境の改善にかかる費用
これらはすべて、親本人の生活や福祉のために必要な支出に限られます。
そのため、家庭裁判所は、売却代金が本人の利益に沿って使われているかを継続的に確認します。
親が施設に入居中でもマンションは売却できる?
親がすでに介護施設へ入居している場合でも、マンションの売却は可能です。
むしろ、空き家の状態が続くと管理の負担や固定資産税の問題が生じるため、売却が合理的と判断されやすいケースもあります。
この場合も、意思能力が不十分であれば、後見制度と家庭裁判所の許可が必要になります。
売却後に税金はかかる?
マンションを売却して売却益(利益)が出た場合は、譲渡所得税がかかります。
ただし、条件を満たせば税負担を軽減できる特例もあります。
代表的なものは以下です。
- 3000万円特別控除(居住用財産の場合)
- 所有期間に応じた長期譲渡の税率軽減
親が住んでいない期間が長い場合は、特例が使えるか判断が難しくなるため、事前に税理士などの専門家へ相談するのが安心です。
まとめ|認知症の親名義のマンション売却は専門家へ早めに相談を
認知症の親名義マンションでも、判断能力や状況に応じて売却は可能です。
ただし、成年後見制度や家庭裁判所の許可が必要となるケースも多く、自己判断で進めるとトラブルにつながります。
重要なのは、親本人の利益を最優先にし、適正な手続きを踏むことです。
早い段階で専門家に相談することが、安心かつ確実な売却への近道となります。
新宿不動産売却サポートでは、新宿区を中心としたマンションの売却に関する相談を無料で受け付けています。
司法書士・税理士などの専門家と連携し、認知症の親名義マンションの売却についても、手続きの整理から売却・活用までをワンストップでサポートします。
ご家族の状況やご希望を丁寧に伺い、無理のない最適な解決策をご提案します。
認知症の親のマンションの売却をご検討中の方は、どうぞお気軽にご相談ください。
✅ 「何から始めればいいかわからない…」という方は、まずは「新宿不動産売却サポート」にご相談を!
✅ 新宿区の不動産・マンション売却に強い専門家が最適なプランをご提案
✅ エリアトップクラスの売却実績を基に納得の高値売却を実現します
記事一覧に戻る
不動産に関することなら
何でもお気軽にご相談ください
\ 最短1分!即日無料査定はこちら /
完全無料 とりあえず査定してみる
\ 不安なことなど何でもご相談ください /
LINE 専門家にLINEで相談する\ お電話でのご相談も承っております/
9:30-18:30(年末年始・お盆・GWは除く)